One for the treble, two for the bass

思いついたようにネットからヒップホップ絡みの面白い話を拾ってきて訳してる訳ですが、今回はタイトルのだれでも知ってる有名フレーズについて調べてるブログ記事から。

The Ethan Hein Blog (http://www.ethanhein.com/wp/2010/one-for-the-treble/)より。例によって翻訳はarnieoです。ではどうぞ。なお、原文にはyoutubeのリンクがあったけど切れてるのも多かったので省きました。タイトル入れて検索したら新しくあげられたものが見つかると思います。

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"One for the treble, two for the time"と云うフレーズあるいは"One for the treble, two for the bass"と云ったヴァリエーションを多くのヒップホップの曲で聴いてきた。皆がどこから引用しているのかをはっきりさせようと思う。ネットで色々と調べて判ったことはこんな感じだ。 まず、このフレーズがカール・パーキンスのBlue Suede Shoesに出てくる。エルヴィスが有名にしたあの曲だ。 "One for the money, two for the show     Three to get ready, now go, cat, go"

ヒップホップの世界なら一番の参照元はスプーニーGの"Spoonie Rap"(1979)だろう。オールド・スクール!スプーニーのフレーズは意味不明で不可解だ。 "You say one for the treble, two for the time     Come on y'all, let's rock the [whistle]"

スプーニーのラップは他のオールド・スクール期のヒップホップアーチストに影響を与えている。"Spoonin' Rap"の2年後、グランドマスター・フラッシュは"The Adventures Of Grandmaster Flash On The Wheels Of Steel"をスプーニーのラップを擦って始めた。ウエスト・ストリート・モブも"Break Dance - Electric Boogie"をスプーニーのこのフレーズから始めている。ただ、彼らはこのフレーズに自分流の言葉を入れ込んでいる。 "You say a-one for the treble, two for the time,     come on y'all, let's BREAK DANCE (ボコーダーで変調したロボ声で)"

他にも"Spoonie Rap"のフレーズを引用したり参照している曲は多々ある。 例えば、 ・カーティス・ブロウ / Under Fire ・コモン / Food For Funk ・DJキャレド ft. ジャ・ルール、ファット・ジョー&ジェイダキス    / New York Is Back (スプーニーGとカール・パーキンスのフレーズをミックスしている。 "One for the treble, two for the show")

もう一つ、ヒップホップでの重要な参照元はデヴィーDMXだろう。彼は違うバージョンのフレーズを使っている。 "One for the treble, two for the bass      Come on Davy D, let's rock this place"

モス・デフにとってこのデヴィーDMXの曲とスプーニーGの曲は極めて重要なんだろう。彼は少なくとも次の3曲でこのフレーズを引用している。"Undeniable"、"Hip Hop"、"Oh No ft. Pharoahe Monch & Nate Dogg"。

ア・トライブ・コールド・クエストはバスタ・ライムスをフィーチャーした"Oh My God"でデヴィーDMXを一分ほど引用している。

他にデヴィーDMXを引用しているのは、 ・ブランド・ヌビアン / Steal Ya Ho ・エイシーアローン / Treble And Bass ・スヌープ・ドッグ / Can I Get A Flicc Witchu ・テック・ナイン / Bout Ta'Bubble ・セルジオ・メンデス ft.エリカ・バドゥ&ウィルi.am / That Heat

ここでこのフレーズの広がりのすべてを記載するのは不可能だ。他にもあったら教えて欲しい。