離職率20%のベトナム人が会社に求めるものは?
ベトナム人は真面目で勤勉とよく言われ、実際にその通りな一面を感じる事も多いです。会社選びに関しても、真面目なベトナム人は同じ会社に貢献し続けてくれる・・と考えてしまいがちなのですが、実際はかなり離職率は高く、以前ある人材コンサル会社が調査したデータによると1年間のベトナムの転職率は19.4%と大変高いものでした。
当社サービスでベトナム人・日本人の20代に転職や仕事観について調査を行ったところ、転職経験のあるベトナム人は74%と日本の44%を大きく上回りました。4人に1人は3回以上転職をしています。
では、なぜ転職に積極的なのでしょうか?日本人とベトナム人の会社選びについて調べてみました。
ベトナム人は自分の「給与」「仕事スキルの成長」に凄く貪欲です。給与については最低賃金の引き上げが15%以上になるといった報道や、周りに転職をして給与をアップさせた知人などがいたりすることもあり、自分の給与はもっと高いべき・・という考えに行き着き易くなります。実際、同年代の同スキルの若者でも転職の仕方によって2割くらい給与が違う例も珍しくありません。
また、スキルを向上させたいという気持ちが強いのも特長の一つです。勤務後に語学や専門知識習得の為に学校に行く人も多いですし、例えば当社で研修など行うときの態度は仕事中より真剣です。逆に仕事がマンネリ化しスキル向上の機会が欠けてきたり、自身で新たなスキルを身につけると次の会社を探し出します。
ちなみに日本人の間で重要度の高い「労働時間」の項目が低いのは、そもそも家族を大切にするため残業をする習慣がないこと、「仕事内容」の重要度が低いのは実際の業務内容の面白さよりも自身の成長(そして待遇向上)につながるかを重視している点に起因していると言えます。
では、長くスタッフを引き止める為の有効策はなんでしょうか?
実は最も有効な策の一つが日本の若者では敬遠されている社員旅行や飲みニケーションだったりします。社員旅行は思いのほか盛り上がりますし、こういった家族的なイベントはベトナム人は大好きです。とはいえ、それだけでベトナム人を引きつけられる・・とは流石にならず、特に旧正月のテト後などは転職市場が大変盛り上がります。
欧米企業等は社員教育の充実などがカリキュラム化しており企業文化を浸透させる等の工夫を施しています。また給与の優越や昇進に関しても日本企業よりも大胆に実施しています。この辺のメリハリがなかなか日本企業には出来ず今後の課題かもしれません。
※上記調査はQ&Meベトナム市場調査サービスにてベトナム・日本の20代各300人に実施したものです。